ダニの繁殖しやすい湿度・温度はご存知ですか?
「梅雨に繁殖しやすい」「乾燥している秋、冬には繁殖しない」と思っていませんか?
実は、日本の住環境は一年中ダニの繁殖リスクにさらされています。
この記事では、ダニの繁殖しやすい湿度と温度、一年中繁殖する理由、そしてダニの繁殖を防ぐ方法について解説しています。
この記事のテーマ
- ダニの繁殖しやすい湿度・温度について
- 日本の家が一年中繁殖リスクにさらされている理由
- ダニの繁殖を防ぐための対応策
目次
ダニの繁殖しやすい湿度・温度は?
家のなかで大量に発生しやすいダニは、ヒョウヒダニ(チリダニ)です。
このダニは高温多湿を好み、繁殖に適した湿度は60~80%、温度は20~30℃といわれています。
ココがポイント
- 繁殖に適した湿度は60〜80%
- 繁殖に適した温度は20〜30℃
さらに以下のような記述もあります。
好条件が重なると、たった1組のつがいが2ヵ月で約3,000匹にも! 産み付けられた卵は1ヵ月ほどで成虫となり、次々に繁殖をしていきます。気温と湿気を気にする習慣をつけましょう。
引用元:アース製薬Danny
一般的に、ダニは梅雨に繁殖しやすいと言われていますが、条件にあてはまれば、一年中繁殖可能です。
では条件から外れると、どうなるのでしょうか?
ポイント!
- 湿度:60%以下で繁殖力が落ち、40~50%が5~11日続くと脱水を起こし死滅します。
- 温度:20℃以下、30℃以上で成長が鈍化し、55℃以上で死滅します。
(引用元:愛媛生協病院 小児科・アレルギー科資料))
つまり、湿度・温度のどちらかを変えるだけで、ダニの繁殖を抑えることができます。
ダニは体の周囲にある水蒸気を吸収して、水分補給をしています。
湿度が60%を切ると、体のまわりから吸収できる水蒸気が減ってしまい、水分不足(脱水症状)になります。
人間にとって快適な湿度は40~60%。温度を変えず、湿度を下げるだけで、ダニの繁殖能力は鈍くなるのです。
逆に湿度を変えず、温度を20℃以下/30℃以上にすることで、ダニの成長を防ぐことができます。55℃以上なら死滅させることも可能です。
日本の家は湿度が高くてダニの繁殖にうってつけ?
一般的に「高温多湿」といわれる梅雨以外にも、日本の家は一年中ダニの繁殖リスクにさらされています。
日本の家は高温多湿環境を作り出している
昔の家は木造建築が主流でした。木造の家は通気性・吸湿性が高く、湿気がたまりにくい構造になっていました。
いまも木造建築は人気ですが、より耐久性の高い鉄筋コンクリート造りの家、マンションに住む人も増えてきました。
また、季節問わず快適に過ごせるよう断熱材を使用する家も多くなってきました。
その結果、気密性が高く風通しの悪い家になり、一年中ダニの大好きな環境をキープしてしまっているのです。
部屋干しが増えると湿度が上がる
部屋干しが増えると湿度が上がります。
近年、都市部でのゲリラ豪雨の回数が増えました。また、マンションやアパート住まい・共働きの家庭も増えました。その結果、洗濯物を部屋干しする機会が増えています。
窓を閉め切って部屋干しをすると、洗濯物から水蒸気が発生します。その水蒸気が室内の湿度をあげてしまうのです。
冬の加湿器に注意!
ダニの繁殖で盲点なのが、冬です。特に加湿器に注意!
冬は「空気が乾燥しているから安心だ」と思われがちです。しかし、カゼやインフルエンザなどの対策に加湿器をつける家庭が増えます。
外は寒いため窓を開けません。その結果、加湿器の湿気と暖房によって、自然とダニの好きな環境を作り出してしまうのです。
ダニが人間の身体に引き起こすこと
ダニが人間の身体に引き起こすことは、以下のとおりです。
- ダニに噛まれる(痛みや腫れ)
- ダニアレルギーを起こす
- 喘息などの持病が悪化する
- 感染症の媒介
なかでも最近、注目されているのが「ダニアレルギー(ハウスダストアレルギー)」です。
ダニは、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎など、さまざまなアレルギー性疾患の原因となっています。
(引用元:アレルギー支援ネットワーク)
このなかで「アレルギー性鼻炎」は、花粉症と同じ症状(くしゃみや鼻水・目のかゆみ)が起こります。あなたが「花粉症かな?」と感じている症状、実はダニアレルギーの可能性があります。
ダニアレルギーは「生きたダニ」そのものが原因ではありません。「ダニの死骸やフン」などを吸い込むことによって引き起こされるアレルギー症状です。
ダニの寿命は条件がよければ、およそ100日。繁殖ピークが夏ですから、秋には「死骸の量」がピークとなります。
しかし、これはあくまでもピークの話。現在の住環境では、一年中繁殖のリスクがあるため、一年中「大量の死骸やフン」が部屋に散らばっているのです。
ダニアレルギーから身を守るためには、死骸やフンを取り除くことが大切です。
ダニが繁殖しやすい場所は?
ダニが繁殖しやすい場所は、湿度(60~80%)と温度(20~30℃)の条件に加え、「エサ」が豊富にあるところです。
ココがポイント
ダニが繁殖しやすい場所
- 湿度(60~80%)
- 温度(20~30℃)
- エサが豊富
室内で繁殖しやすいヒョウヒダニ(チリダニ)のエサとなるのは、人間やペットから出るアカやフケ、食べ物のカスです。
この「湿度×温度×エサ」の3条件が揃いやすい場所といえば、寝具・カーペット・畳・ソファ・カーテンやぬいぐるみなど。
布団を収納する押し入れも繁殖しやすい場所のひとつです。
このなかで、特にダニの繁殖しやすい寝具とカーペットについて解説します。
寝具
一番ダニの繁殖しやすい場所は布団や枕などの寝具です。
布団は人間の体温で温まりやすく、就寝中にかいた汗(水分)が染みこんでいます。さらに、頭を直接預ける敷布団や枕には、目に見えない細かいアカやフケもびっしり。
よって、ダニの大好きな3条件が揃いやすくなるのです。
布団や枕、マットレスのダニ退治については下記の記事で詳しく解説しています。
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寝室やリビングのカーペット
布団の次にダニが繁殖しやすい場所は、寝室やリビングのカーペットです。
原因は、
- 食事のカス、水分がこぼれる
- 人間のフケやアカがたまりやすい
- 汗をかいた素足で歩く
- ペットが走り回る
などが考えられます。
また寝室やリビングではエアコンを稼働させるご家庭も多いため、ダニ好みの室温(20~30℃)になりやすいです。
さらに人の汗や呼吸で湿度も高まりやすくダニが繁殖しやすい条件が揃ってしまっています。
ダニの繁殖を防ぐカギは湿度のコントロール
では、どうすればダニの繁殖を防ぐことができるのでしょうか?そのカギは湿度のコントロールです。
室内の湿度チェック
手始めに、室内の湿度チェックを行いましょう。
日本の家は気密性が高く、湿気を逃がしにくいため、知らないうちに湿度が60%を超えている可能性も。
まずは「どのくらい湿度があるか」を知ることが「敵」を知る第一歩。湿度計や、湿度・温度を計測できる時計など、寝室やリビングに置いてみることをおすすめします。
部屋の換気や除湿を行う
次に、部屋の換気・除湿です。
ダニの繁殖をおさえるため、私たちが簡単にできる対策は、湿度を下げることです。窓を開けて換気するときの時間と回数の目安は、1時間に5~10分程度と言われています。(引用元:ダイキン工業)
季節や部屋の広さによって目安時間、回数は変わります。
ダニの繁殖しづらい湿度(50%以下)になるよう、湿度計を見ながら微調整するようにしましょう。
また窓を開けられない場合は、エアコンの除湿機能を利用しましょう。
部屋干しを控える
部屋干しの回数を減らしましょう!と言いたいところですが、なかなか難しいですよね。
洗濯の回数を減らせないけれど、部屋干しを避けたい方はコインランドリーの利用や、衣類乾燥機の利用を検討してみてください。
布団やカーペットのこまめな洗濯と乾燥
布団やカーペットはダニの繁殖しやすい場所です。
1年に1回は丸洗いしましょう。秋や冬の乾燥した日がおすすめです。自宅の洗濯機で丸洗いが難しい場合は、コインランドリーを利用しましょう。
シーツや枕カバーなど、取り外しのしやすいものは、1週間に1回程度、洗うようにしてください。
湿度をコントロールしてダニの繁殖を防ごう
ダニが繁殖しやすい条件は、湿度60~80%、温度20~30℃、エサが豊富な場所です。
繁殖しやすい条件
湿度:60〜80%
温度:20〜30℃
エサが豊富な場所
ダニが繁殖しやすいことを知っていれば、それを逆手にとって対策を打つことができます。
以下の対策が有効です。
ダニ対策
- 室内の湿度チェック
- こまめな部屋の換気や除湿
- 部屋干しをさけ、乾燥機などを利用する
- 布団やカーペットの丸洗い
など、簡単にできることからはじめてみませんか?
最後に、布団やカーペットのダニ対策として、ダニ取りシートもオススメです。
おすすめのダニ取りシートについては以下の記事にまとめましたので、参考に読んでみてください。
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